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eラーニングを導入する事で社員や企業にどのようなメリットをもたらすのか

2022.08.25

人材育成の効率化が求められている近年、社員の教育をサポートするためにeラーニングを導入する企業が増えてきています。しかし、導入しても難しそうで使いこなせないのでは?費用ばかりかかっては勿体ない。そもそも、企業側・学習者側にとってどのようなメリットがあるの?と、後ろ向きな意見もまだまだあることは事実です。今回はそれらの疑念を解消するために、eラーニング導入のメリットをご紹介していきたいと思います。

eラーニングとは

eラーニングとは

eラーニングは、1990年代のインターネット普及とともに発展してきた電子・情報化技術を活用する学習形態であり、ITの技術を使った教育システム、教育コンテンツ、教育そのものの事です。パソコンや、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて、業務の合間や通勤時など、いつでもどこでも好きなときに学習することができます。

eラーニング導入でできること

eラーニング導入でできること

それでは、eラーニングを導入すると、どのようなことができて、どのようなことが学べるのか見ていきましょう。

できること

eラーニングでできることのひとつに、時間とコストの有効活用があります。
研修会場に足を運び、時間を拘束されていたところが、オンライン化によって場所や時間を問わず学習できるようになりました。そのことにより、移動や宿泊のコスト削減に繋がります。
そして、複数の学習者が同じ講師から同じ講座内容を何度も受講する場合、受講内容の偏りを防ぐことができ、更には、自ら 繰り返し学習ができるので、その講師を何度も呼んで講座を開催することや、会場を押さえる手配が少なく済み、こちらもコスト削減へと繋がっています。
また、学習の履歴がデータとして管理されていることにより、誰がいつどのような学習を行い何点をとったかなど、学習の活用を行う事ができるようになります。
用意されているコミュニケーションツールで質問や意見を投げかけ合えば、学習者と講師、学習者同士が離れていても理解をより深めることもできます。
さらに、カリキュラムのデータ化や、メールの自動配信などを使った運用面の簡素化、近年のeラーニング技術を使うと、ビッグデータを活用した学習内容の分析、AIを活用した学習コースのレコメンドや学習者へのモチベート、顔認証を使った本人確認や集中度判定など、様々なことを行う事が可能です。

学べる内容

ビジネススキル系

ビジネススキルには基本的なものから高度なもの、特定の業種や職種で用いる専門的なものまで、さまざまなものがあります。新入社員向けのビジネスマナーやコミュニケーションスキルはもちろん、中堅社員向けの営業スキルやプレゼンテーションスキル、マネジメントスキルなどの教材も学習できます。

office系

あらゆる仕事でパソコン操作は必要になります。eラーニングにはWordやExcelなどの基本的なソフトの使い方を身につけるための教材も用意されているため、パソコンスキルの向上が期待できます。パソコンスキルが上がれば、書類の作成や業務処理のスピードが速まり、仕事を効率よく進められるので、ぜひ受講したい教材です。

社内のサービスや商品について

新たに開発したサービスや製品について社員の理解を促すなど、社内の情報共有の目的にもeラーニングが用いられます。企業が本社、支社などに点在している場合でも、社員の均質化を目指せます。

財務・情報セキュリティ・コンプライアンス講座など

知識として学んでおくと使える予算管理や資金調達などの財務、IT社会で必ず必要になってくる情報セキュリティ、今や社会人として遵守すべきコンプライアンスについての講座も学べます。このようなプラスアルファ教材もeラーニングで修得することができるのです。

メリット

場所・時間を問わない

・職場や自宅など場所を問わず、いつでもどこでも学習できる
・オンラインで行うことで感染症対策になる

無理なく自分のペースで

・自分のペースで学習できる
・講義の受講からテストの回答、レポート作成までを一括で行える
・繰り返し学習ができるので、予習・復習にも活用でき、学習の質が向上する

映像や音声で理解度が深まりやすい

・音声や動画により、学習理解度をさらに深められる
・操作説明など、画面上の動きがわかりやすい
・学習者がみな同じ講師から同じ講座を受講する為、受講内容に偏りがない

全体学習や交流もできる

・集合研修とeラーニングを合わせることでより学習の質がよくなる(eラーニングで予習をし、集合研修でディスカッションをするなど)
・オンライン上でも他の受講者との交流ができ、学びあいなど、受講者同士が支援しあえる

学習進歩が可視化される

・受講履歴や達成度など、進捗状況が可視化される
・学習データは蓄積でき、フィードバックが即座に確認できる
・結果をもとに最適な学習方法が選択され、効果的に習得できる

デメリット

実技には不向き

・スポーツなどの実技がともなう学習では、効果的に習得しにくい(※)
 ※昨今VRが一般化しており、実技学習に用いられている例もあります。

PCやスマホがないと受講できない

・ネットワーク環境のない方の受講が難しい

聞きたいときに質問などができない

・一般的に、リアルタイムに講師側との交流が取れないことが多い

モチベーションの維持が難しい

・自分のペースで進める為、怠けることもできてしまい、学習者のモチベーションの持続が難しい

こういったデメリットを解消するために、
「チャットや電話を使ってその都度コミュニケーションを取るように心がけている」
「受講者側のモチベーションが上がりやすいように、質問窓口や交流会などを定期的に設けている」
という会社もあります。
また、ついつい受講をすることを忘れてしまう、ということを念頭に、細かく受講を促進するためのメールを設定したり、締め切りをいくつかに分けて、忘れないようにスケジューリングさせるための運用設計も大事になります。
以上のように、忙しい社会人の学習者にとって、時間や場所が拘束されるのはできれば避けたいところ。そんな懸念が解消され、更に学習の質を高められるのがeラーニングです。しかし、個人のモチベーションを維持させるためにどのようにフォローしていくかが重要になっていきます。

eラーニング導入での企業側のメリット・デメリット

メリット・デメリット

続いて、企業側のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

導入以降のコスト削減・教育の効率化

・インターネットとパソコンやスマートフォンなどの端末があれば行える為、教材の印刷代や会場レンタル料、交通費、宿泊費などのコストを抑えることが出来る
・受講者各自が時間を選ばずに学習できるので 、スケジュール調整の手間がかからない

教材のアップデートができる

・一度作成したeラーニングは再利用が可能な為、学習者も復習、予習ができる
・テストなどの結果によりその学習者に適したコンテンツを提供することも可能な為、進捗状況によって教材のアップデートができる
・教材やプログラムはサーバ に保存されているので、改変が迅速かつ容易 にできる

大人数に対して均一の教育

・時間や場所を越えて伝えたいことが伝わる
・最新の教材を全学習者に一律に提供できる

学習管理の一括化

・すべての学習者の進捗管理が自動的に処理されるので、チェックや集計が迅速に一括で行える
・学習の 管理が一括でできることで、必要な人に必要な学びを届けることができる

教育のフロー化

・順序だてて視覚的に専門的な技能を伝えることができる為、高度な教育のフロー化に役立つ
・従業員に充実した研修を行うことで、優秀な人材に教育できる道筋を用意できる

デメリット

教材作成やシステム導入に費用がかかる

・書籍などに比べると学習教材を制作する手間やコストがかかり、制作する技術が必要で、その為にはITの知識が必要となる
・学習履歴や教材を配信・管理するeラーニングシステム(学習管理システム・LMS)が必要となる

以上のように、企業側としても社内研修にかけるコスト削減ができ、一括管理できるため、働き方改革・生産性の向上につながります。
しかしながら、システム導入に関しては費用が必要になってくるため、導入しない場合と導入した場合の先の見通しを立て、どちらがメリットになるのかしっかり比較しましょう。

eラーニングを導入する上で大切なこと

eラーニングを導入する上で大切なこと

なぜ導入したいのか・導入して何を目標にしているかを明確に

せっかく導入しても、目的もなくただ受講させているだけでは意味がありません。eラーニングを導入し、受講していく中で、学習者に何を修得して欲しいのか。そして企業や学校などにとってどういう成果に繋げていきたいのか。目指す目標を明確にしましょう。

学習者視点

・スキルアップ・キャリアアップを目指した学習をするため
・業務に役立つ知識を身につけるため
・学校の授業として受講するため
・学校の予習や復習のため

人事担当者・管理者・教育者視点

・忙しい従業員のために、いつでもどこでも学習できる環境を作るため
・キャリアチェンジされた方や新人などが早期戦力化できるよう、支援できる体制をつくるため
・業務に関する研修で、必要になる費用面や時間、労力を抑え、生産性を上げるため
・対面ではなくオンラインで実施すること で、感染症を予防するため
・研修機会を増やすため
・研修講師によって、教える内容のバラつきを防ぐため
・企業として守るべきコンプライアンスの教育を徹底するため
・即座に新商品の情報など、共有すべき情報を伝えるため
・全国各地の代理店・フランチャイズ店などの提携先や、自社の点在する支社などに研修を提供するため
・学校が休校していても学習を提供できるため

など、eラーニングを行う目的は様々ですが、総じて企業や組織、人の成長を促す例が多いです。

eラーニングシステム・教材の選定やコスト

eラーニングを選ぶ際にチェックしておきたいポイントを以下に整理しました。ニーズから選ぶeラーニングの向き・不向きを見極めていきましょう。

導入形態を選定する

eラーニングの導入形態はサービスにより異なります。主な導入形態では「クラウド型」と「オンプレミス型」があります。サービス選定のはじめに、どちらの導入形態を採用するのか決めておきましょう。

eラーニングシステムのセキュリティを比較する

 eラーニングシステムは、受講者の情報(個人情報)や、社内の機密情報が大量に保管されるシステムです。特にクラウド型でeラーニングシステムを導入する場合、個人情報が保管されるデータベース、教材や資料のデータ、動画が保存される配信サーバがどこにあるか、どのように管理されているか、確認をしましょう。

基本機能を比較する

eラーニングの利便性を左右する要素に、プラットフォームである「LMS」の基本機能が挙げられます。複数のeラーニングをピックアップして、LMSの基本機能を比較してみましょう。ただし、機能がたくさんあれば良いという訳ではなく、必要な機能があるかどうか、また、その機能は使いやすいかどうかを比較項目に必ず入れましょう。機能が多すぎて、複雑で使いづらいシステムを導入してしまうと、誰も使いこなせずに使われないシステムとなってしまう恐れがあります。

コストを比較する

導入候補とするeラーニングを絞り込んだら、コストの比較を行いましょう。オンプレミス型を導入する場合は、ソフトウェアの購入費や年間ライセンス料を比較してください。
クラウド型のeラーニングを導入する場合は、次のポイントを比較しましょう。

・初期費用
・課金の方式(従量制・定額制など)
・データの流量課金
・月額料金
・受講者1人あたりの料金

上記のポイントのうち、課金の方式は特に念入りにチェックしましょう。定額制のeラーニングには、受講者数単位でプランが変わるものや、同時アクセス数単位でプランが変わるものなど、多様な種類があります。また、データの流量課金というのは、動画やファイルを配信する際に、発生する課金制度のことです。選定するeラーニングシステムによっては、大量に動画を視聴されると、流量課金が大幅に増加することがあるため、注意が必要です。
自社で利用しやすい課金方式を検討した上で、サービス選定を進めてください。

また、教材の導入コストについても比較をしましょう。
教材の導入方法は、学習の目的によって大きく3つの方法に分かれますが、その選定には費用対効果を考える必要があります。

eラーニングに割く人材(メンター、スタッフ)の選定

基本的には以下の役割のスタッフが必要になります。

・企画→教育担当/プロデューサー
・制作の進行→ディレクター
・システムの導入→システム担当者、WEB担当者
・運用、保守→システム管理者、技術サポート、教育担当者、チューター、学習支援者(メンター)※学習者の相談や質問を受けたり、受講のリマインドを行ったりすることにより、学習者が学習のモチベーションを高く保てるよう支援します

また、実施規模や対象メディアにより必要な人員は大幅に増減しますが、教材内容の制作には以下のような専門的な役割も必要になっていきます。

・教材の制作→コース設計者/インストラクショナルデザイナー/講師/シナリオ製作者/コンテンツ制作者/プログラマー/デザイナー/イラストレーター/カメラマン/ナレーター

その為、制作会社側でどのくらい対応してくれるのか、それにより自社のスタッフではどれくらい対応しなくてはならないのかを確認し、全体的にかかる人材コストを算出することも大事になります。

まとめ

本当に教育効果のあるeラーニングを行うのであれば、eラーニングでできることを把握し、メリット・デメリットの比較から実際に 導入するべきかをまず考えましょう。
また、目的を定めずに導入を開始すると、途中で軌道修正を繰り返すことになり、やり直しが大きな負担となってきます。
コスト最優先で導入するのもひとつの選択肢ではありますが、目標はしっかりと定め、導入する側と制作会社が協同して「目標を達成するにはどうすればいいか」を考えられるパートナーシップを組めることが大切になります。

今回ご紹介した内容を踏まえて、導入側だけでなく学習者側にもメリットになる eラーニングの活用を目指しましょう。

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