「コンプライアンス」「ハラスメント」という言葉はみなさんもよく耳にしますよね?企業の研修でも取り上げられることが多いテーマです。
コンプライアンスとは法令遵守という意味ですが、企業に求められているコンプライアンスとは、単に法律を守るだけでなく、社会的規範やモラルの遵守も含まれています。
そして、「セクシュアルハラスメント」「パワーハラスメント」などの「ハラスメント」はこの「コンプライアンス」に反する行為ということになります。
今回は、eラーニングを使ったコンプライアンス研修、その中で特にハラスメント研修の効果について考えてみましょう。
絶対必要! だけど効果を上げるのが難しい、コンプライアンス・ハラスメント研修
近年、コンプライアンスを重視する企業が増えており、研修も活発に行われています。企業にとってコンプライアンス違反は致命的なリスクとなり得るから当然です。
コンプライアンス違反が発覚した場合、その企業は社会的な信用を失い、売上減少、企業イメージ低下、さらに採用難に陥ることまで考えられます。
しかし、このコンプライアンス教育、さらにはその中でも特に各企業が重視しているハラスメント教育において、十分な効果を発揮するのは簡単ではありません。
1.実務に結びつきにくいため、受講者のやる気が醸成できない
コンプライアンスやハラスメントの研修は、「やらなければならないもの」ではありますが、従業員の業務に直結するものではありません。
そのため、「自分には関係ない」「会社に無理やりやらされているもの」と受け止められやすい傾向にあります。
2.研修内容が、自社の実態と乖離している場合がある
ある企業では、従業員のサービス残業(労働時間の過少申告)が問題視されています。かと思えば、別の企業で問題になっているのは、従業員の横領、現場の品質偽装だったりします。
このように、必要なコンプライアンス教育は企業ごとに大きく異なります。一般論で教育プログラムを組み立てても、その企業の実態に合っていない研修を行っても意味がありません。
ハラスメントについても同様です。
3.デリケートな内容のため、踏み込んだ解説が難しい
ある工場で、上司が部下をヘルメットの上から叩くというハラスメントが起きたとします。
次年度、その事例を使ったパワハラ研修を行おうとしたのですが、そうすると従業員に、「あ、これは〇〇さんの一件だ」と察しがついてしまうでしょう。
当事者(加害者のみならず、被害者も)がまだ社に残っている場合、その方々の受け止めを想像すれえば、安易に教材化することは憚られます。
そのため、当たり障りのない内容で教材化せざるを得ず、効果が上がらないことが予見されます。
他にも要因は考えられますが、このようにコンプライアンス研修、ハラスメント研修の教材制作は一筋縄ではいかないことをぜひ押さえましょう。
有効なハラスメント研修とは
コンプライアンス研修のうち、特に要望の高いハラスメント研修に絞って、どのようなものが有効かを見ていきましょう。
ハラスメント研修が目指すものは、当然ですが、ハラスメントのない職場です。
それでは、どのような研修を行えば、職場からハラスメントを無くすことができるでしょうか。
①正しい知識が身につく
研修で正しい知識が身につく。当たり前のことと思われるかもしれません。しかし、ハラスメントに関しては、その「正しい知識」が重要になります。
例えば、職場で「あれってハラスメントじゃないかな?」という行為を目撃したとします。
しかし、それがハラスメントだと確信を持てないと、本人への指摘や窓口への相談をためらってしまう人が多いのではないでしょうか。
また、部下を持つ立場であれば「最近は何でもパワハラと言われてしまうから、部下を注意するのも怖い」と思っている人もいるかもしれませんね。
ハラスメントに対する正しい知識が身につけば、「あれはハラスメントだから相談しよう」や「このような注意の仕方ならパワハラにならない」と判断ができるのではないでしょうか。
②全員が受ける
①で述べた正しい知識は、メンバーの一人だけが持っていても職場全体からハラスメントを撲滅させるのは難しいでしょう。
職場からハラスメントを無くすためには、全員が正しい知識を持つことが必要です。
全員が正しい知識を持ち、ハラスメントを無くしていこうという共通の意識を持ってこそ職場環境が改善されていくのです。
③定期的に行う
ハラスメント研修をたった一度だけ行ったところで、ハラスメントは完全には無くなりません。なぜなら、研修を受けた直後のようなやる気や問題意識をずっと維持し続けるのは難しいからです。
研修を受けた直後は「明日から、言動に気を付けて仕事をするぞ!」と思っても、だんだんと日々の仕事に忙殺され、モチベーションが下がってしまうこともあります。
定期的に注意喚起をすることにより、問題意識を維持し続けることができるのです。また、ハラスメント研修には、内容のアップデートが欠かせません。
ハラスメントの種類やハラスメントとされる内容は、常に変化しているからです。
「リモートハラスメント」などは、リモート会議が一般的になる前にはあまり聞きませんでしたよね。つまり、定期的に新しい内容を取り入れた研修が必要となるのです。
そして、もう一つ重要なポイントを。
繰り返しになりますが、研修内で紹介する事例(ケーススタディ)は、その企業、その職場で実際に起こりえるハラスメントである必要があります。
そうでなければ、受講者はリアリティを持って学習することはできず、「うちの会社には関係ない」「私には関係ない」と捉えてしまうのです。
オリジナルのeラーニングコンテンツを作成するメリット
すでに解説した通り、コンプライアンス研修やハラスメント研修は、既製品の教材ではなかなか効果を上げることは困難です。既製品のコンテンツは、多くの人に見てもらうことを前提に作られているため、内容がどうしても汎用的になってしまうからです。
例えば、飲食店の従業員にハラスメント研修をしたい場合に、オフィスの動画だったらどうでしょうか。パワーハラスメントの例が、オフィスでスーツを着た上司が部下を怒鳴っている動画だとしたら、飲食店の従業員が見てもあまりピンとこないかもしれません。
もちろん、内容の理解はできるでしょう。しかし、「パワハラってオフィスでの話だから、自分には関係ないな」と感じてしまう人もいるかもしれません。
その業界、その企業で起きうるコンプライアンス違反やハラスメント行為を主題とし、実際に起きた(起きうる)事例を、特定の従業員を傷つけない形でコンテンツ化する必要があります。
このようなミッションにこそ、ITBeeのオリジナル制作サービスがマッチします。
ディレクターがお客様の要望を詳しくヒアリングし、綿密に打ち合わせをして、最適な事例を入れたeラーニング動画を作成いたします。リアリティを重視しつつも、もちろん従業員のどなたかを傷つけるようなことがないよう、細心の注意を払います。
受講者が自分事として捉えられるような事例とすることで、より効果的な研修を行うことができます。
このようなサービス内容が評価され、大手企業様のコンプライアンス教育、ハラスメント教育を、ITBeeでオリジナル制作させていただくケースが年々増えています。
料金は都度お見積りさせていただきますが、目安としては、15分の動画で約35万円からになります。
eラーニングコンテンツで既製品を使うメリット
ここからは、既製品(パッケージ型)のeラーニングコンテンツを採用する場合について考えてみたいと思います。
ハラスメント研修のeラーニングコンテンツは、様々な企業が既製品を販売しています。既製品は、購入するだけで簡単に研修を行うことができます。
オリジナル制作がいいとはいえ、予算やスケジュールの関係上、どうしても既製品を採用せざるを得ない場合にもあります。
既製品は、購入するだけで簡単に研修を行うことができる利点があります。
導入に時間がかからないため、研修の準備をする時間がない場合などには便利に利用できます。
また、料金はID単位か人数単位のものが多く、少人数で利用する場合は価格を安く抑えることができます。
しかし、既製品を購入する際は、慎重に選ばなくてはなりません。既製品のコンテンツを購入する場合は、タイトルに「ハラスメント」と入っているからと言って安易に選んではいけません。
内容がしっかり作られているか。動画だけでなく、テストや資料も充実しているか。いつ作られたコンテンツなのか。等を確認してから購入するようにしましょう。
また、既製品のコンテンツの場合は「ビジネスマナー」などの、その他のコンテンツとセットで販売されていることもあります。もし、その他のコンテンツを使った研修をする予定があれば、購入を検討してみるのもよいでしょう。しかし、その場合は、全てのコースがしっかりと作りこまれているか確認をしましょう。
ITBeeの「スグにつかえる!ビジネススキルe講座」では、1コース・1人8000円から購入が可能です。
「ハラスメント予防コース」では、ハラスメントの基本的な知識から職場でハラスメントを防ぐ方法まで学ぶことができます。キャラクターの掛け合いが中心のアニメーション動画のため、飽きることなく受講することができます。
また、「スグに使える!」の名の通り、受講を終えた方がすぐに実践に移せるように、理解度を確認するテストや復習用のダウンロード資料もあります。
なお、既製品のコンテンツを購入する際、「扱われる事例などの内容が、自社に合っていない可能性が高い」という点は留意しましょう。
eラーニングシステムの検討
最後に、コンプライアンス研修やハラスメント研修等の教材を搭載する、eラーニングシステムについても考えてみましょう。集合型の研修と異なり、eラーニングならではのメリットが多々あります。
- 階層分けができる
- いつでも受講できる
- 受講管理ができる
対面やZoomでの研修の場合、日程が決まっており、予定が合わない社員が出てきてしまいがちです。eラーニングでしたら、自分の都合の良い日程で受講することができ、全員が研修を受けることができます。
また、eラーニングシステムは、研修の設定が容易にできます。定期的に研修を行いたい場合、一度受講させたコースの内容を少し変え、半年後にもう一度コースをアップロードさせれば、簡単に研修を開催できます。
そして、全員が受講できる環境が整ったとして、果たして誰もが真面目に研修に取り組むでしょうか。
残念ながら、そうはならないでしょう。
eラーニングシステムを使わず、ただ動画を見せる場合、動画を見ない人もいるかもしれません。
eラーニングシステムには、誰が動画を見たかが分かり、見た人にのみ受講を完了させる受講管理機能があるため、このような不正を防ぐことができます。
ITBeeのeラーニングシステム、「SpeedLMS」では①から③までの全てが可能です。
月額10000円から、最短で1カ月の契約が可能で、少人数でも利用できるため、部署単位での導入もしやすいのが特徴です。
無料体験サービスもあるため、操作性を確認してからの導入も可能です。
社内向けeラーニング導入や構築に必要なeラーニングシステム(LMS)とは?
まとめ
昨今、コンプライアンス違反、ハラスメントは企業にとって大きなリスクとなっており、多くの企業が研修を行っています。
従業員全員が正しい知識を身に着け、定期的に受講することにより、職場からハラスメントを無くすことができます。
オリジナルで制作する場合も、費用や時間の関係で既製品を検討する場合も、いずれの場合であってもコンプライアンス、ハラスメント研修を行う際は、ぜひITBeeにご相談ください。
ITBeeでしたら、eラーニングシステム、eラーニングコンテンツ、オリジナルコンテンツの作成、すべてにおいてお力になれます。
特にオリジナル制作の場合は、大手企業でのコンプライアンス教材・ハラスメント教材を多数手がけてきた経験から、どのような業界の研修教材でも、高い効果をお約束できると断言できます。
今や、ちょっとした不祥事でも炎上・拡散する時代です。従業員教育は、ただやるだけではなく、高い効果を狙って行うようにしましょう。