動画は完成して終わりではない
研修動画を制作して公開したものの、「思ったほど見られていない」「最後まで視聴されていない」といった課題を感じたことはないでしょうか。
動画自体はしっかり作り込んだにもかかわらず、期待した教育効果が得られないケースは少なくありません。
本シリーズでは、研修動画制作の工程として「企画」「制作」「編集」について解説してきました。これらの工程を経て、研修動画は完成します。
しかし、研修動画制作は動画が完成した時点で終わりではありません。研修動画は、社員が視聴し、内容を理解し、業務に活かすことで、はじめて教育コンテンツとして機能します。
そのためには、動画をどのように公開し、どのように運用していくかを考えることが重要です。
本記事では、完成した研修動画を教育現場で活用するための「公開方法」と「運用」について整理します。
1.研修動画の公開方法:主な種類とメリット・デメリット
研修動画を作成する際、「どこで公開するか」は重要な検討ポイントの一つです。公開方法の選び方によって、その後の運用のしやすさや教育効果は大きく変わります。
研修動画の公開方法はいくつかあり、それぞれに管理機能やセキュリティ、運用のしやすさに違いがあります。
| 公開方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| LMS(学習管理システム/eラーニングシステム) | 視聴状況や受講履歴を管理できる/理解度テストや修了管理と連携できる/教育用途に最適 | 導入コストがかかる/システム設定や運用管理が必要 |
| 社内イントラネット | 既存環境で公開できる/社内メンバーがアクセスしやすい | 視聴状況の管理ができないことが多い/動画配信に最適化されていない場合がある |
| 社内ポータル | 社員が日常的にアクセスする場所に掲載できる/周知しやすい | 学習管理機能は基本的にない/視聴履歴などの取得が難しい |
| 限定公開の動画配信サービス(Vimeoなど) | 高画質で安定した動画配信が可能/パスワード設定や限定公開ができる | 受講管理や理解度テストなどの教育機能はない/別途運用が必要 |
| YouTube | 無料で利用できる/動画のアップロードや共有が簡単 | セキュリティ面の懸念がある/社内教育の管理には向かない |
このように、公開方法によって視聴管理のしやすさや運用方法は大きく変わります。そのため、単に動画を公開する場所としてではなく、研修の目的や運用方法に合わせて、「どのように研修として活用するか」という観点で公開方法を選ぶことが重要です。
2.研修動画の運用:教育効果を高めるPDCAの回し方
公開した動画を研修として機能させるためには、運用の設計が重要です。
単に動画を配信するだけでなく、誰にどのように受講してもらい、その結果をどう改善につなげるかまでを考える必要があります。

2-1.受講対象者の設定
研修動画では、誰が視聴するのかを明確にする必要があります。
例:
- 新入社員
- 管理職
- 特定部署
対象者を明確にすることで、内容や運用方法の最適化が可能になります。
2-2.受講案内の実施
動画を公開しただけでは、受講が進まないことも多くあります。そのため、メールでの案内や社内ポータルでの告知、研修スケジュールへの組み込みなど、受講を促す仕組みが必要です。
2-3.視聴期限の設定
視聴期限や受講期間を設定することで、受講率を高めることができます。期限がない場合、視聴が後回しになりやすくなります。
2-4.視聴状況の確認
LMSなどを活用すると、視聴ログや視聴完了率、受講状況を把握できます。これにより、研修の実施状況を定量的に確認できます。
2-5.理解度の確認
動画視聴だけでは理解度を把握しにくいため、理解度テストや確認問題、アンケートなどを組み合わせることが重要です。これにより、学習内容の定着度を確認することができます。
2-6.コンテンツの更新
研修動画は一度作って終わりではありません。業務フローの変更や制度改定、法改正などに応じて内容を更新し、継続的に改善していく必要があります。
3.研修動画の効果を高める運用のポイント
研修動画は、動画を公開するだけでは十分な教育効果が得られるとは限りません。
実際の現場では、「視聴されていない」「見られていても理解されていない」といった課題が発生することもあります。
こうした課題に対しては、運用の工夫によって改善することが可能です。
3-1.動画研修でよくある課題と対策
動画研修では、以下のような課題が起こることがあります。
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| 流し見される | 理解度テストを実施する |
| 再生だけされる | ワークやアウトプットを設ける |
| 視聴されない | 受講案内や視聴期限を設定する |
動画視聴だけで終わらせず、アウトプットや確認を組み合わせることで、学習の定着を促すことができます。
また、これらの運用を効率的に行うために、LMS(学習管理システム/eラーニングシステム)を活用するケースも多くあります。LMSを利用することで、視聴状況の把握や理解度テスト、受講管理を一元的に行うことができます。
より具体的な運用方法やLMSの活用については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

また、こうした運用をスムーズに行いたい場合には、ツール選定も重要なポイントになります。ITBeeでは、研修動画の配信から受講管理まで一体で行えるLMSをご提供しています。
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3-2.動画タイプ別の効果的な活用
研修動画にはいくつかの種類があり、それぞれ適した活用方法があります。動画の特性に応じて使い分けることで、より効果的な研修を実現することができます。
| 動画タイプ | 活用例 |
|---|---|
| スライド+ナレーション | eラーニング教材、基礎知識研修 |
| 実写型 | 現場教育、接客研修 |
| アニメーション | ルール説明、概念理解 |
| ハイブリッド型 | 体系的なオンライン研修 |
例えば、基礎知識のインプットにはスライド型、実務に近い内容の理解には実写型が適しています。
このように、研修の目的や内容に応じて動画タイプを選定することで、学習効果を高めることができます。
4.まとめ
研修動画制作は、動画を作ること自体が目的ではありません。動画を公開し、視聴してもらい、理解してもらうという運用まで含めて考える必要があります。
そのため、動画制作を検討する際には、公開や運用まで見据えて設計することが重要です。制作と公開・運用を別々に考えてしまうと、公開後の段階で思うように活用されないといった課題が生じることもあります。
したがって、「企画」「制作」「公開」「運用」を一体で考えられる体制を整えることが望ましいです。
一方で、動画制作とLMSなどの研修運用の両方に対応できる会社は多くありません。動画制作会社はコンテンツ制作を中心としており、公開や運用は企業側で対応するケースも多くあります。
そのため、こうした工程をノンステップで対応できる外注先を選ぶことが、研修動画制作をスムーズに進めるための有効な選択肢となります。
研修動画の活用に課題を感じている場合は、制作工程だけでなく、その後の運用まで含めて見直してみてはいかがでしょうか。
ITBeeでは、研修動画の企画・制作から公開・運用までを一体でご支援しています。研修動画の活用にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


